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真空入門

1.真空って何?

真空とは?

そもそも真空とは何でしょうか?辞書では「物質の全くない空間」と定義されています。しかし、現実に厳密な真空というものは、実はこの世に「厳密な真空」というものは存在しません。真空だと思われている宇宙空間でも、1立方センチメートルあたり、10〜1000個程度、空気の分子が存在しています。

地球上でこのような空間を作り出すことは、とても難しいことなのです。
通常の大気中には、1立方センチメートルあたり1000京個(10の19乗)、空気の分子が存在します。普段、皆様がよく目にする、魚や肉などの真空パックは、10京個(10の17乗)程度、空気の分子が存在しているのです。

当社が提供している真空空間は、1立方センチメートルあたり10万個(10の5乗)以下の環境です。一口で真空といっても、色んなレベルの真空が存在しているのです。

真空の定義

圧力の世界真空空間は空気の分子の存在している程度により、低真空、中真空、高真空、超高真空、極高真空の5つのレベルに分類されています。
当社は、極高真空空間を生み出す技術を持っています。お客様の要望に合わせて、極高真空から高真空の製品を作っています。

身近な真空の用途

皆様の身近なところにも、真空の技術は使われております。いくつか主だったものを紹介します。

フリーズドライ
世の中にはフリーズドライの食品が多くあります。フリーズドライ製法は、まず食品を急速に冷凍させ、その後で凍った水分を抜いています。凍った水分は分子レベルでないと抜けませんが、真空空間ならこれが可能になります。
蛍光灯
蛍光灯蛍光灯の中身は実は真空なのです。だから蛍光灯は、破裂するような割れ方をするのです。
真空状態にしたガラス管の中に微量の水銀の蒸気を入れ、そこに電気を流すことで光らせています。
カミソリの刃
カミソリの刃にも真空技術が使われています。
今のカミソリの刃は、昔に比べて切れ味が長持ちする気がしませんか。それは刃にイオンプレーティング処理をしているからなのです。イオンプレーティングとは、金属の薄膜で表面を覆う技術です。異物のない真空空間だから、緻密でムラのない処理ができるのです。
時計・アクセサリー
時計多くの時計やアクセサリーはめっき処理されています。従来のめっきというのは、めっき液の中にコーティングしたいものを浸すという方法でした。
現在では、真空めっきという方法が用いられており、真空空間でめっきする方法がとられています。なので、最近のめっき製品ははがれにくくなっているのです。
自動車のミラーなどもこの方法でめっきされています。
ノートパソコンなどの情報機器
PC最近のノートパソコンなどの情報機器は小型化が進んでいますが、これにも真空技術が役に立っています。
当社では真空技術を応用した、量産用常温接合装置を世界で初めて開発しました。これを使うと、熱も接着剤も使わずにチップを接合でき、チップを何層にも重ねることができるようになりました。
今後、この技術が普及すれば、情報機器のさらなる小型化が実現できるようになります。

なぜ真空が必要なのか

真空が必要な理由は大きく2つあります。

  1. 化学変化を起こさせないため
    大気中では様々な化学変化が起こります。例えば酸素にふれたものは酸化します。いわゆる錆です。真空空間では、空気の分子が極端に少なくなっているため、化学変化しにくい環境と言えます。そのため、食品を真空パックすれば賞味期限を延ばすことができるのです。
    また、電球の中も真空状態ですが、これはフィラメントに使われているタングステンが酸化して燃えないように真空にしているのです。
  2. 不純物の混入を防ぐため
    真空空間は余分なものがありませんので、不純物の混入を防ぐことができます。例えば、めっき処理をする場合、めっき成分の中に余分なものが混ざらないので、高純度なめっきができのるのです。何層にもめっきをする場合などは、層の間に不純物が入り込むことがないので、はがれにくいめっきになります。
  3. 真空でなければ起こらない現象を利用する
    大気中では、雷くらいの高電圧を加えないと放電という現象はおこりにくいですが、真空中では容易におこすことが出来ます。この性質を利用しているのが、蛍光灯です。オーロラで有名なプラズマという現象も、真空中では容易に起こせます。この性質を利用したものがプラズマテレビです。

2.真空を作り出すためには

真空空間の作り方

地上では空気が存在するために容器が必要ですが、真空空間の作り方として次の2つの方法があります。

加速器分野への参入・実績
  1. 容器の中にある空気を外へ送り出す方法
    主な方法として、低真空を作るためにはロータリー形式やピストン形式が使用され、空気を外へ送り出します。
    また、それ以上の真空空間をつくるためには、ターボ形式(分子運動より速く回転する羽根)を使用して、空気の分子を外へ送り出します。
  2. 容器の中の空気を容器内の一部分にため込む方法
    たとえば、容器の中の一部分を絶対零度に近づけることで、容器の中の分子運動エネルギーを「ゼロ」に近づけて、その一部分に空気を吸着させます。
    また、容器内の分子をイオン化することによって、容器内の一部分に空気を吸着させます。

真空を作るための要素部品

1. 排気ポンプ
排気ポンプは、通常規格品が使用されます。
外排気
  • ロータリーポンプ
  • 油拡散ポンプ
  • ターボ分子ポンプ
  • ドライポンプ
  • その他
ため込み式
  • クライオポンプ
  • ゲッターポンプ
  • イオンポンプ
  • ソープションポンプ
  • その他
2. 容器
容器は、通常用途に合わせたオーダーメイド品となります。
材質
  • SUS304
  • アルミニウム合金
  • 銅合金
  • その他
シール方法
  • ゴムオーリング方式
  • メタルガスケット方式
  • その他
3. 測定ゲージ
全圧真空計
  • ブルドン管真空計
  • ダイアフラム真空計
  • ピラニ真空計
  • 熱陰極型真空計
  • 冷陰極型真空計
  • その他
分圧真空計
  • 四重極型質量分析計
  • 飛行時間差型分析計
  • 磁場型分析計
  • その他

真空を作る難しさ

真空を作るには、真空ポンプの能力と容器の中にあるガス量とシール面のモレで、真空度が決定されます。

「容器真空度=容器の大きさ・モレ÷真空ポンプの能力」で表されます。一般的には、容器が小さく、かつポンプ能力が高ければ、容器の真空度が高まります。高真空になると、容器内部にある気体ガスよりも容器内側に付着しているガス分子を取り出すことに、難易度があります。また、材料によるガス放出、シール面からのモレの防止、溶接の仕方、加工の仕方、表面処理の仕方等様々な技術力が求められます。そこで、当社へお問い合わせいたければ、これらの複合的なお悩みを解決させていただきます。